岩手花巻レトロ旅【後編】大沢温泉湯治屋―湯治初心者の詳細レポ

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前編に引き続き、1月某日の岩手県花巻市レトロスポットレポ。前編は「昭和の学校」に行ったところで終わりましたが、ここから宿泊先の「大沢温泉湯治屋」へ向かいます。初めて行く人がキョドらないためにできるだけ詳細に書きますので参考にしてください。なお、このレポは″湯治宿で自炊をしない気満々″の人が書いたものなので、自炊関連では全く役に立ちません。

※花巻の旅前編はこちら↓

 

大沢温泉湯治屋ってどんな湯治宿?

湯治と言えば自炊しなきゃいけないしハードルが高い印象ですが、大沢温泉の湯治屋はかなり泊まりやすい施設になっています。

レトロ好きの私は昔ながらの湯治宿に潜入したい気持ちは山々なものの、自炊はやだな…さらに言うと公衆浴場が苦手だから温泉はな…という感じで。しかし大沢温泉湯治屋はお食事処があるので自炊しなくても泊まれちゃうのです。また宿泊プラン一覧を見ると、初心者歓迎ムードが強い。思い切ってここへの宿泊を決めた次第です。

大沢温泉湯治屋のホームページを見れば色々宿の説明が書かれていますが、個人的に1番わかりやすいなと思ったのが湯治屋ホームページの館内案内ページにあるこちらの湯治屋 利用の仕方というPDF。イラスト・写真・色多めで見やすいし、宿内の説明もこちらが知りたいことをしっかり且つ端的に書いてある。とりあえず最低これを見ておけば後の諸々は何とかなると思います。

ちなみにネット予約すると、宿泊予定日の数日前に湯治屋から電話が掛かって来ますが、単なる予約内容の最終確認なので慌てなくても平気です。私は慌てました。

 

行きの交通手段

【花巻駅から直接大沢温泉に行く場合】

・無料シャトルバスがあります。花巻駅を背にして左のほうにある"送迎用バスのりば"という所から発車。このバスは予約なしでも乗れますが席に限りがあるので、やはりどちらかというと事前に電話予約したほうが安心のようです。時刻表は大沢温泉ホームページに。

・路線バスでも行けます。3番乗り場から岩手県交通の湯口線(新鉛温泉行)に乗ると、「大沢温泉前」の停留所で降りられます。時刻表は岩手県交通ホームページに。

ちなみに、前編にも書きましたが県外から来る人のために…この路線バスは後乗り前降り・乗車時整理券を取って後払いです。

 

【昭和の学校から大沢温泉に向かう場合】

今回の私のように昭和の学校見学後に行く人は…

・路線バスで行けます。上記で登場した湯口線です。ただし新鉛温泉行ではなく、花巻駅行かイトーヨーカドー行に乗ります。この路線は、

新鉛温泉〜昭和の学校〜大沢温泉〜花巻駅(時刻によってはさらに先のイトーヨーカドーまで)

というルートなので。待つバス停も来たとき降りた場所の向かい側です。

バス時刻は上で紹介した岩手県交通のホームページで確認を。 

・徒歩でも行けます。昭和の学校からせいぜい10分くらいなので私は歩きました。 行きのバスが通ったルートを引き返す形で歩いてください。

 

大沢温泉の入口には、道路沿いに大きな看板があるのでわかりやすいです。

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大沢温泉の宿は「菊水舘」「山水閣」「湯治屋」があります。今回私は湯治屋に泊まるので右へ進みます。

坂を下って右手の立派な建物は山水閣。左手の趣ある建物が湯治屋です。

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到着したらまず何をする?

まず玄関でスリッパに履き替え、真正面の「帳場」と書かれている部屋へ入ります(つまりフロント)。状況によっては玄関先で宿の人が出迎えてくるかも? どちらにしてもまず宿泊予約していることを伝えます。すると宿の人が部屋まで案内してくれます。その際外靴を一緒に持っていくように言われると思います。

料金は後払いなのでこの時点ではスルー。湯治屋は積み上げ算式。基本料金で借りられるのは部屋そのもので、寝具・浴衣・タオル・暖房冷房などは1つ借りるごとに料金が上乗せされます。なので帰るときにそれらのトータルを支払うという形式です。借りずに持参するのもアリ。

 

部屋に到着〜室内チェック

案内されて部屋に入ると、宿内の説明を色々してもらえます。その際に借りたい物があれば申し出ます。後々追加してももちろんオッケー。とにかく何かあれば帳場へGOです。

湯治屋は様々な宿泊プランがあり、今回私は″湯治スタンダードプラン冬の陣″というので申し込みました。これは元々、敷布団・掛布団・毛布・枕・浴衣・丹前・ストーブ・こたつが付いているプラン。荷物を減らしたかった私はバスタオルを持参しなかったのでそれだけ追加レンタルしました。

追加のバスタオルを持ってきてくれたあと宿の人は戻っていったので、さっそくお部屋チェック。

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プラン関係なく元々無料で付いているのは、テレビ・冷蔵庫・テーブル・お茶セット・座布団と座椅子・ハンガー・鏡台・ゴミ箱といった感じ。

鍵は内鍵のみ。棒をブスッと刺すアナログ式。

窓のない部屋だったせいか、思ったより全然寒くありませんでした。

ただ、実は色んなタイプのお部屋があるらしいのでこれはほんの一例。ちなみにこれは「本館」のお部屋です。他にも、新館やらなんたら館やらあります。

ネット予約だと自動的に部屋を割り振られますが、電話予約ならある程度「こんな部屋がいい」という要望も聞いてもらえるそうです。

 

ところでストーブなんですが、他の宿泊した方々のブログを拝見すると反射式石油ストーブのようだったので、そのつもりでチャッカマンまで持参したのですが(マッチ苦手)、実際に私の部屋に用意されていたのはファンヒーターでした。ちょっと無念。おそらくどっちもあるのでしょうね。例えば「反射式はちょっと…」という人はそれこそ予約段階で伝えればファンヒーターにしてもらえるかも。

 

館内探索の注意点

あまりに部屋のアットホーム感が強くてうっかりこのまま引きこもりそうになりましたが、なんとか重い腰を上げて館内探索です。

この際必ず貴重品を持って出掛けましょう。内鍵のみなので、外出中は誰でも侵入し放題です。

また、部屋に置いてある館内図を写メるか何かしておくことを強くおすすめします。館内はとにかく複雑な造り。気軽に出掛けると迷うことは必至です。

 

売店

帳場の隣に売店があります。自炊に役立つ食料品・カップ麺・お菓子・飲み物・お土産・歯ブラシ・タオルなど。

私は予約制の朝食を頼まなかったので、朝食用にパンか何かないかなーと覗いてみたのですが、少なくとも私の行った時間帯にはありませんでした(16時頃)。

ちなみに湯上りの一杯は選び放題です。

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温泉についてのあれこれ

さて、湯治宿のメイン・温泉を見ていきましょう。

まず、温泉を巡る前に貴重品を預けましょう。預けるには2つ手段があります。

まず1つ目、帳場に預ける。すると輪っか付きの番号札を渡されます。引き取りに行くときまでに無くしたらまずいので、温泉に入るときも肌身離さず手首につけておいてください。

もう1つの手は、ロッカーに預ける。1番最初に宿の人が色々説明してくれる際「貴重品は帳場に預けてください」としか言わないのですが、ロッカーあります。四方八方に位置する5つの温泉の内、「富沢の湯」に続くドアの手前にあります。富沢の湯に行くには必ず通る場所なので絶対にわかると思います。さらに富沢の湯の女湯脱衣所にもロッカーがありました。

 

預けたらいよいよ温泉を巡りましょう。ちなみに私は女湯の様子しかわからないので、その目線で書いていきます。

女性は5箇所の温泉に入れます(男性は4箇所)。

私はこの内「薬師の湯」・「富沢の湯」・「南部の湯」のみ行きました。

この3箇所は、洗い場があるお風呂です。その他2箇所は温泉に浸かるだけとなっています。なので体や髪を洗うときはこの3箇所に行くことになりますが…薬師の湯で体や髪を洗うのは実質難しいです。なぜならシャワーが付いていない。蛇口も冷水と熱湯それぞれに分かれているから使いづらいです。

なので富沢の湯か南部の湯で洗うことをおすすめします。

その2箇所をさらに比較すると…

 

【シャンプー】

南部の湯:リンスインシャンプー

富沢の湯:リンスインではないシャンプーとコンディショナー

【ドライヤー】

南部の湯:風力が強くて良い

富沢の湯:風力が弱い

 

この辺が気になった違いでした。あとこれは記憶が曖昧なのですが、富沢の湯は洗顔フォーム・化粧水・乳液ありましたが、南部の湯はなかった気が…少なくともその3点セットでは置いてなかったです。

 

ところで迷路のような館内ではありますが、温泉に関しては大きく案内看板が出ています。

ただ、南部の湯はめちゃくちゃわかりづらかったです!

途中までは簡単なんですが…まず、「南部の湯」と看板が出ているほうに行くと、一旦外へ出るようになっています。外用スリッパに履き替えていざ屋外へ。 

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とても綺麗。この橋を渡ります。

渡ったら左に曲がります。

目線の先はこんな感じ。

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ここ。このアイボリーの扉(?)です。ここが出入り口です。

ここから入るなんて誰が想像できましょう。私はたまたま通りがかりの方が教えてくれなかったら諦めて引き返すところでした。

南部の湯に行く人はくれぐれもお気を付けて。

 

洗面所は?

歯を磨くときとか朝に顔を洗うときとかどこへ行けばいいんだろう? と迷ったのですが、館内図を見るとちゃんと「洗面所」と書かれている場所がありました。しかし炊事場とガラス1つ隔てただけな上コインランドリーと同じスペースにあってあまり落ち着かないので、私は1番広い富沢の湯の脱衣所にある洗面台を使いました。

 

チェックアウトと帰りのバス

ついに帰る際のお話。

ホテルなどと違って鍵もないので、荷物を持って帳場に行きチェックアウトする旨と名前を伝えるだけです。すると基本料金の他に借りたものの料金なども上乗せされたトータルの料金を伝えられるので支払って終了です。

ちなみに帰りの無料シャトルバスもあります。部屋に置いてある案内には「予約制」と書いてあるのですが、行きと同じく予約をしなくても乗れます。ただやはり満席になっちゃうと事なので、どちらかというと予約したほうがいい。乗るときは湯治屋前ではなく山水閣前からです。

ちなみに路線バスで帰る場合は例のごとく湯口線です。

 

館内スナップ

レトロな館内を写真に収めてきたのでいくらか載せていきます。

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まとめ

レトロで本当に素敵な宿だったのですが、1番の印象は「あまりにリラックスし過ぎて部屋から出たくなくなる」。こたつがあるところがまた良ろしくない(良い)。

とにかく部屋の癒やし度が振り切れています。湯治屋に行く人はそこを何とか踏ん張って館内探索や温泉巡りを楽しんできてください。